《MUMEI》

「かがわ…あきら…です///」

   ”賀川アキラ”

と書かれたその文字は、男の子にしては少々可愛いらしい形をしていた。

「アキラか…」

彼の名前を呼ぶと、彼はにっこり笑って「はい///」と答えた。

アキラの腰の辺りに手を回して自分の方に抱き寄せると、アキラは少し恥ずかしそうに俺に寄りかかってきてくれた。



「…もう、戻らないと」
「残念、もっとキミと一緒に居たいのにな…」

そう言ってドアの前に立つアキラに自分の携帯番号を書いたメモを手に握らせると、帰したくなくてその手を握った。

お互い同じ気持ちで見つめ合っていると、隣の部屋から微かに高いあえぎ声が聞こえてきた。

「ぁ…///」

(かなた…だな)

聞こえてくる気持ち良さそうなあえぎ声に、彼のの頬が赤く染まる。

「あのっ…え〜…と///」
「さっき私と一緒に居た子達だよ、いつもの事だ」

そう言いながら彼の肩に触れると、ビクッと彼の身体が震えた。

「んんっ///」

その肩に触れた手を腕から腰に下ろしていくと、ゾクゾクとくすぐったそうに身をよじる彼がたまらなく可愛い。

「私たちも…するかい?」
「ゃ…///…も、戻らないと僕///」

仕事に戻らないといけないと言う彼をギュッと抱きしめると、最後にお互いを求めるように唇を重ね合った。




アキラが出て行った後も、身体が火照って頭の中がモヤモヤする。

頭からシャワーの冷水を浴びてもまだ身体の中が熱く、俺の中で火がくすぶっているようなカンジがした。

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