《MUMEI》
疑問の確認
(多分、メールしたら、電話かけてくるよね)


デパート内で電話をするのは気が引けたから、私は入口付近で俊彦にメールを打とうと思い、父に『先に行ってて』と言った。


父は、頷いて華江さんと友君がいる三階の子供服売り場へ向かって行った。


私はその様子を見送り、俊彦に報告メールを送った。

(やっぱり…)


昨日と同じように電話がかかってきた。


ピッ


《やったな、蝶子!良かったなぁー》


「うん」


《もうこれで、心配する事無いよな。俺達、冬までラブラブなんて楽勝だし!》

「…うん」


俊彦の言う通り、心配事は消えた。


(でも…)


祖母の態度は少し気になっていた。


《蝶子?》


「な、何?」


《夕方には帰ってこれる?》


「一応…そのよ…」


その時、私の視界に見覚えのある人物が見えた。


《蝶子?》


「ごめん、わからない。またかけ直すね」


《え?》


「ごめんね」


ピッ


そして私はデパートから出てきた『二人』を追い掛けた。


「待って下さい!」


「…蝶子さん?」


私の声に、荷物を抱えた少年…
亘君が気付いた。


続いて、三枝さんも振り返った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫