《MUMEI》
明石 珠緒の学園事情
僕、明石 珠緒の好きなあれこれ。


1、部室から眺めた校庭

2、読書(文芸部)

3、フルーツ牛乳

4、猫(最重要)


つまり、僕にとって放課後の部活動は最高の癒し時間ということだ。

僕は常に一人で行動している。

親が転勤が多かったということもあり、別れが悲しくなるからあまり仲良くしないようにしていた。

…………というのが表向きの理由だ。



僕はある悩みをずっと抱えていて、それはとてもデリケートな部分だ。

その悩みを幼稚園の頃までは気にせずに楽しく過ごしていた。

思春期になると悩みはコンプレックスになって、学校を転々としてきた僕は自然と感情を押し殺すようになる。

故に現在僕の親友、友人は家に餌を毎晩頂きに訪ねてくる“にーさん”しかいない。
にーさんは細身で黒毛で天頂部に10円ハゲがある尻尾がすらりと長い美丈夫だ。

ここまで説明すれば伝わるだろうが、にーさんは人間ではない。

転勤族で学力に支障が出てはいけないと両親は私立大附属の学校へ僕は今年無理矢理入れられた。
そんなエリート学校で唯一僕と話せるのがにーさんだ。

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