《MUMEI》

「うわあああ!」

出た瞬間驚いた。

毛の塊が目の前に立ち塞がっていたからだ。

「貴様……」

塊は喋った。
そうだ、妖怪にケウケゲンという毛の妖怪が存在するという……
まさか、この目でお目に掛かれるとは。

「明石だろう。」

ケウケゲンが僕の名前を知っていてくれた……。

「ケウケゲン様、知っていてくれて光栄であります!」

「……俺様だ馬鹿者」

ケウケゲンの中から人間が出てきた。

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