《MUMEI》

―――…その時…。



「英才さん!これは何の音かしら!?」



少年の母親が轟音に驚き、慌ただしく二階に駆け上がってきた。



この少年のファーストネームは『英才』……苗字を『出来杉』という――…。



英才は、母親が部屋に入って来るまで、轟音に気付かない振りをして教科書を眺めていた。



「え!?…どーしたの、ママ?」



彼はイヤホンを耳穴から引き抜くと、白々しく問い返す。



「やだ、気付いてなかったの!?

いま地鳴りみたいな音がしたのよ!」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫