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《MUMEI》 ◆◇◆ 「彩貴はどうしている」 ふいに、狐叉が尋ねた。 「もう戻っている筈だ」 そう答えつつ、夜桜はぼんやりと月を見ている。 狐叉が徐に立ち上がり七つの尾を引きずりつつ歩き出すと、夜桜も後に続いた。 風が吹き、ざわざわと梢が揺れた。 一人と一匹は寄り添いながら、睦まじく帰路を共にした。 ◆◇◆ 前へ |次へ |
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