《MUMEI》 「うおい、呼んでおいてそのまま寝室行くなよ?」 訪問者により、ちちくりあい終了。 「……あ、ごめん来てたんだ。」 すっかり俺の枕は茹でられて上気し、荒い呼吸がする寝心地の悪さになっていた。 「寝室じゃなくても俺は構わないんだからな。」 真剣に言うと変質度合いがより上がる。 「馬鹿」 殴られたようだ。当たり前か。 「……律斗も大変だなこんな愚か者に囲まれて。」 起きてたのがバレていたようだ。 「ははは、慣れました。」 乾いた笑い。 「律斗、起こしちゃったんだ……」 枕の主は散々悶えた声を出していたので耳まで赤くしている。 まあ、なんて可愛い反応をするんだ。 「じゃあ愚カップルは放置しておいて律斗に手伝ってもらうかな。」 要らない本や家具を引き取りに来たらしい。 前へ |次へ |
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