《MUMEI》

―――…やがて…



「ママ!…僕、野比君の家が心配だから様子を見に行ってくるよ!」


出来杉は二階にある自室を飛び出し、階段を駆け下りた!



「気をつけるのよ…。英才!」


母親は、階上から息子の後ろ姿を見送りながら声をかける…。



亡くなった友人宅を案ずる息子の優しげな振る舞いに、頼もしさすら感じながら――…。





出来杉は家を飛び出すと、火の手が上がった方角……野比家の方に向かって走り始めた…。



だが気のせいか、その口元は少し揺るんでいるようにも思えた――…。



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