《MUMEI》

「はぁ〜↓↓偶然に期待するわけにはいかないな…」


「…偶然じゃないと思うけど?」


「え?」


「ユキヒロ!!」


「はい?」


ヤマが誰かに教えるとこなんて初めて見た。


「何でさっき入ったと思う?」


「…わかんないす。」


「お前な。シュート速いんだけど、シュートフォームが安定してないんだよ。なんつ〜か…そう!!上半身に頼ってる感じで!!」


「…はい。」


「さっきのは、打つタイミングも良かったし、腕だけじゃなく手首も使ってたから上手く低めに決まったんだよ!!」


「はぁ…。」


「あとは下半身だな。ジャンプする時も考えてやってみな。」


「はい。」


いくら本を読んでも、理論を理解できないことがある。


(ん?)


本を読んで理解できない者は、それが向いてないからかもしれない。


(あれ?)


実際に目で見て体験をした方が覚えが早いという場合だってある。


(なんか…)


どちらが正しいというわけではない。


(さっきから…)


大事なのは自分に合ったやり方だ。


(随分よくなったんじゃないか!?)


ヤマトのアドバイスは、どんな本よりもわかりやすく、ユキヒロの頭に入った。


(いつものシュートが、そのまま低めに集まってる!!)


経験論からわかりやすく伝えた結果、本当に早く上達していく…


「おぉ〜!!それだ!!」


ユキヒロのシュートが、低めに決まり出す…

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