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《MUMEI》 ◆◇◆ 「‥‥‥‥彩貴」 「どうした」 「‥‥何故あのような事をした‥」 「‥‥‥‥‥‥‥」 その時彩貴は、只、鬼を滅する事だけに執着していた。 帝の勅令は絶対だ。 何としても、妖達の徘徊を見過ごす訳にはいかなかった。 故にああするに至ったのである。 だが夜桜は、何故かと問うた。 彼女の治癒を済ませた彩貴が口ごもる。 すると、夜桜は言った。 滅さずとも、百鬼夜行は止める事が出来る、と。 それを聞き、彩貴が困惑の色を浮かべたのは言う間でもない。 だが彼自身はその事よりも、この姫を、己の妹を傷付けたという事が、居た堪れなかったのである。 ◆◇◆ 前へ |次へ |
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