《MUMEI》
四夜 黄泉へ戻りし影
◆◇◆

 夜桜は狐叉に術を解くよう言い、徐に妖達に近付く。

 そして、鬼門に向かい歩き出した。

「‥‥‥っ!?」

 彩貴は息をのんだ。

 ゆらり、ゆらり。

 朱雀大路へ向かっていた鬼や妖、それらが夜桜に従うかの如く動き始めた。

「───────」

 彩貴は驚きのあまり目を見開いたまま、その列が遠のいて行くのを只見つめていた。

◆◇◆

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