《MUMEI》

◆◇◆

 夜桜を先頭に、その傍らに狐叉、後ろに鬼、妖達が続く。

 遠目から見れば、正しくそれが百鬼夜行であった。

 青白い焔が、時折生き物の如く揺らめく。

 夜桜の背後では、妖達の掲げる雪洞(ぼんぼり)から下げられた鈴が、しゃらんしゃらんと鳴り響き、祭りのような賑わいがひしめいていた。

「楽しそうだな」

 夜桜が微笑を浮かべ呟いた。

 狐叉もまた、楽しげに妖達を引き連れていた。

◆◇◆

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