《MUMEI》 双子ノ悩ミ「……流理、お前なんか痩せてないか?」 「……え?そうか?別に食事とか今まで通りだけどな」 「ん――…やせたって言うか、全体的にすっきりしたって言った方が適当だな」 「背なら伸びたよ」 「……いくつ?」 「179.6p」 有理が大きくため息をついた。 「いいな〜……。オレなんて、もう身長とか気にしても意味ないんだよなぁ」 「オレと同じじゃないのかな。自分の成長はオレを見て確認しなよ」 「そうする」 有理は笑った。 仕事もうまくいっていて、確かに才能あふれる男かもしれない。 ただ、仕事の際にいつまでも顔を出さないという訳にはいかなくなる。 そこが問題だ。 「……有理」 「何?」 「バラそうか?」 「……何を?」 「双子ってことを。もちろん今すぐじゃないよ。有理が決めた時でいい」 「……限界?」 やっぱり見抜かれてる。さすがオレの弟。 「限界はとうに過ぎてるよ。結構ヤバイ」 「まずはマネージャーに、だな」 悩みは共有してこそ双子だ。 有理の仕事の方も、結構ヤバかったらしい。 環さんにも早苗さんにも伝えなくちゃな。 忙しくなるぞ。 前へ |次へ |
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