《MUMEI》
バトル
休憩していると山の方からバイクらしい音が聞こえてきた。

「パンッ〜パ〜〜ン パ〜ン」

かなり乗れている音だ。
その音は段々と近付いてきた。

(ツーサイクルの音だ。)

駐車場に入って来たのはロスマンズカラーのNSR250Rだった。アンダーカウルには、SPのロゴが入っている。

本革のツナギに身を包み、膝のバンクセンサーは明らかにすり減っていた。

ペコリと頭を下げ、また、上って行った。

駐車場には、ツーサイクル独特の焼けたオイルの匂いが漂っていた。

俺はヘルメットをかぶり、軽く走り出した。
(タイヤが温まったら追ってみるか…)

軽く一往復し、前に出させた。

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