《MUMEI》

「やれるものならやってみろ!」

と、向こうからガラスを割ったような音がした。

「てめぇ!ちょっとは優しく開けろよ!」
仲間割れかよ…
「うるさいなぁ…俺は滝を守ればそれでいいんだよ!」

「みんな!」
純と智嬉の声がした。
「滝…大丈夫か?」
「おう。俺は心配ない」
「カルテーニ!少し痛い目をしなきゃ分からないか!?」

と思ったら二人しかいなかった。

「滝を渡して欲しけりゃ、力づくで奪ってきな!」
カルテーニが戦闘体勢に入る。純達もそれに次いで
「昔の血が騒ぐなぁ、オラオラどんどん来やがれ!」

智嬉は俺の鎖をほどいてくれた。
「ありがとう…智嬉」
「後は純に任せて、能力を回復しな」

智嬉の手から放出された能力は温かかった。
(凄い…みなぎってくる…こいつにこんな力があったなんて)

「そんな馬鹿な!国王の力が回復するなんて!」
「今は戦闘中だ…余所見してんじゃない!」


俺は立ち上がり、携帯していた棍を振り回す。
「行くぞ!カルテーニ!今までコケにしてくれた分を返してやる!!」
興奮しているあまり、能力を解放してしまいそうだ…
雷がバチバチ鳴っている。「俺の力を甘く見るなよ…“雷拳”!!」


それと合わせて、俺も技を出す。
「純、加勢するぜ!“天華乱舞¨!!!」
地面が揺れ、爆発しそうだ。
「うわぁああ!!!」

カルテーニは今度こそ、自身の能力を消滅し、爆発して消えた。

「後はラーテだけか…」
「強い相手になりそうだな…滝、大丈夫かい?」
「力を多く使い過ぎたようだ…悪い、今日は早く帰るわ」

俺は逃げるようにして走って帰る。事務所が少し心配だ…

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