《MUMEI》
VS城南クラブ
赤高ベンチへ戻る。
と言っても、観客席に荷物を置いているだけの場所だが。


「…何だったんすか?」


「いや、よくわかんない。」


もう準備は出来てるようだ。


「とりあえず下行こうか。」


「はい。」


コート反面使ってアップを始める。


「今日はランニングから。」


「あ〜い。」


指示を出す僕のところに近寄って来る男がいた。


八嶋だ。


なんだよ!!
僕が何した!?


「翔太!!」


「はい?」


「アップやっといて。」


「はい。」


何か話あるんだろ?
いいよ。


「お前がクロだったとはな。」


…皆クロって呼ぶんだけどな。


「今日の相手は赤高だと思ってたけど、まさかお前とまた試合できるとは思っても…」


「え?僕出ませんけど?」


「は!?じゃあ何しに来たんだよ!?」


馴れ馴れしいなこいつ…


「いや、僕赤高のコーチなんで…」


「は!?」


「サイトにもちゃんと書いてましたけど…」


「なにぃ〜!?お前社会人リーグに参加してるって聞いたぞ!?」


何で僕のこと詳しいんだよ…


「まぁ…そうですけど。」


「え!?じゃあ社会人リーグには参加してるんだな!?」


「…一応。」


「ははは!!じゃあいいんだよ!!来シーズンは俺たち城南クラブも参加するからな!!リベンジが、」


「いや、来シーズンからの参加ってことは3部リーグからですよね?僕たち去年優勝したから2部に昇格したんで当たらないですよ?」


「は?」


「いや…ホントに。」


「…」


「…まぁ市民体とかで会えるんじゃないすか?」


「そっ…、そうだよ!!去年優勝したからって所詮元3部だろ!?お前の力じゃね〜!!」


「あ…、そうすね。」


一応去年のベストセブンなんだけどな…

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