《MUMEI》

「……言わないでいてやろうか?」

氷室君の疑問詞は恐喝にしか聞こえない。

「……はひ。」

そう言っているのに。

「返事は“はい”だろう。」

必死に頼み込んでいるのに首を絞めてきたのはそっちだろう。

「はい」

怖すぎてつい、言い直してしまった。
それに満足したのか、氷室君はどっかの大量虐殺した皇帝みたいに冷笑した。


「明石、今この瞬間からお前は俺のペットだ。」

ペット…………?

「返事は?」

「……はい?」

言われるがまま、返事をする。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫