《MUMEI》

「――――何、こんな晩くに若い男が独り歩きしてんだコラァ。
犯されるぞ?」

何度も喘いでるのを見た。間違う訳無い絶対、コイツだ。

「……あんたこそ、男と仙台行ったんでしょ。」

確か、そう言っていたのを最後に見なくなった。

「あんな奴、俺の男じゃねぇから!」

必死に語気を荒らげられた。……やけ酒か。

酔い方は最悪で絡むタイプ、一人で立てないのか俺の服を引っ張ってくる。

「こっちからあんな男ぅぉオェェ……」

そして、俺の服に盛大に撒き散らしてくれた。
会った瞬間から殺意なんてそう湧かない、珍しいケースだ。

臭いでこちらまで気持ち悪い。





これ以下は無いってくらいに最悪な一日だ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫