《MUMEI》 「…なんかおれ、目ぇ悪くなった気すんだけど」 帰り道。 思い出したようにそう言って、 椎名くんが首を傾げる。 「―…あ、それ、私のせいだ」 「え、お前目え悪いの??」 「うん、コンタクトだよ。 …そっか、椎名くんの目だから景色が綺麗に見えたんだ」 「おれは両目2.0だからな。 …お前の視界、ぼやけてて見えづらい…」 「じゃあコンタクト、つけなきゃ」 「…………」 「…どうしたの??」 「…や、このままでいい」 「え?なんで??」 「―…あんな物体、眼球に貼り付けられっかよ…」 ―…コンタクト、怖いんだ… 椎名くん、かわいい…!! いつもの帰り道。 他愛もない会話が、妙に心地よかった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |