《MUMEI》

「うう゛……、独りはいやらああ!徳和ぅウェェッ………………」

で、また泣きながら人の服に吐いた。
青白い顔で涙を流しながら三角コーンを抱いて踞っている。
徳和とかいうやつを思い出したのか。

「……全部吐きなさい。」

背中を摩る。
俺はこの男の母さんか?

蛇口のとこまで運んで口を濯がせた。

「うぅー…………あんがと、」

呂律が回らない感謝を述べられた。
意外な反応だ。

「あと……臭いよ。」

「アンタが吐いたんだろ。」

だんだん服が吸い込んで重くなってきて凄い嫌です。

「汚いな、ウチで洗うか……?そおだ、それがいい、な?」

遊びに誘いにきた子供のようだ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫