《MUMEI》

なんだか、疲れた。

災難としか言いようがない。

自分の体質は露呈するし、氷室君にはよく分からないこと言われるし。

首がムズムズする。

鏡で見たらぱっと見パンクに見えなくもないが、これは紛れも無く首輪だ。

鍵穴がある。

これからどうなってしまうのか。

明日にならなければいいのに。
氷室君に会わなくて済むもの。

あ、違った氷室様だ……。

……律義に何を守ってるんだか。



今日もにーさんに愚痴を聞いてもらおう。

唯一、部屋でにーさんと戯れるのが楽しみだ。

……毛を捨てるのは大変だが。

窓ににーさんが入れるスペースを開けて餌を置いておくと入って来てくれる。



「にーさん、ただいまー」

「ミギャー」

尋常でないにーさんの叫び声に出迎えられた。

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