《MUMEI》

――…人生80年…。


定説通りなら、子供はあと70年は生きることが出来る筈だ。



だが“眼”を手に入れる対価として、その寿命の半分を死神にくれてやる契約は、現在10歳である子供が45歳までしか生きられない事を意味している。



それまでの寿命を長いと思うか短いと思うかは、キラである子供の判断に委ねられた。




子供は一時迷っていたが、やがて目を閉じて首を横に振った…。



“N”一人を仕留めるために、35年もの人生を削る行為は、割に合わないと判断したからだ。



「―――…そうか…


…じゃあ、気が変わったらいつでも申し出てくれ…。クククク…。」



リュークは、せせら笑いながら燃え盛る炎と煙を見上げていた…。

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