《MUMEI》 「有理さんはどうしたんですか?」 私は、重くなった空気を変えたくて、話題の矛先を変えた。 「俺? 俺はね、自分の店を持ちたいんだ」 「年下の彼女の為にね」×3 私以外の他の三人の女性陣から茶化され、有理さんは『いいだろ、別に』と照れながら言った。 「一人で好きな事やるのもいいけど、やっぱり、いずれは、一緒に店、やりたいし」 「それって、ビーズの?」 「まぁ、できればそうしたいけど、無理なら、他にも…」 「つまり、…雑貨屋ですか?」 … 私の言葉に、全員が顔を見合わせた。 そして、愛理さんが有理さんの背中をバシバシ叩いた。 「ちょっと、ヤだ。ここにいるじゃん、次期『アニバーサリー』店長君が!」 「痛い!痛いってば、愛理さん!」 そう言いながらも、有理さんは嬉しそうだった。 「やっぱり、考える人数は多い方がいいわよね」 咲子さんが感心したように言った。 「蝶子さん!その調子で私の問題も是非解決してください!」 「え?…それは、ちょっと…」 「そんな事言わないで、お願いします!」 理美さんは必死で私に訴えてきた。 前へ |次へ |
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