《MUMEI》

「八嶋の3連取は、狙ってやってることだね。」


「はい?」


「もちろん、ユキヒロがシュート外すとか、そういうのはたまたま。だけど速攻を中心としたスタイルの攻撃、ディフェンスも速攻を意識してやってるんじゃん?」


「つまり…、サイドがスコアラー?」


マネージャーなのに詳しいな。
てか、頭がいいのか?


「そ。」


「そんなの聞いたことが…」


「ないね。確かに聞いたことない。だってあり得ないもん。」


「…そうですね。」


「日高!!」


プレー中だが、日高を呼び戻す。


「?」


(こっち来い!!)


サインを送る。


(作戦か?)


「…。ゆっくりで!!」


クロが日高に作戦を伝える時間を稼ぐため、椎名がそう伝える。


日高はベンチの前まで戻る。


「いいか、ヤツはたぶんガンガン1対1を仕掛けて来る。お前にな。」


「…はい。」


「でもあいつは1対1も鍛えてる。たぶん勝てないだろ。」


「…はぁ。」


「だからまず…」


「?」


(早くしろ!!もたね〜ぞ!!)


審判の手が上がる。


(ヤバい!!打たなきゃ!!)


ボールは椎名が持っている。


(どうする?時間稼がなきゃ…、いや、でも時間が…)


「くそ!!」


椎名はわざとシュートを外した。


打った瞬間に外すとわかるようなシュート。


ボールがコート外に出る為、すぐに速攻は出せない。


審判をやっていた翔太はそれを見越していた。


(こいつこすいとこもクロさんに似てきたな…)

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