《MUMEI》 十夜 名を授かりし妖◆◇◆ 初めの妖は、雪兎と呼ばれた。 白く兎のような耳を持ち、朱い目をしている。 次の妖は琥鬼。 いつも二匹を引き連れている、琥珀色の眼をした小さな鬼である。 最後の妖は風牙と名付けられた。 小さな牙を持ち風を操る妖である。 それぞれは飛び跳ねて口々に自分の名を口ずさむ。 それがあまりに愛らしく思えて、夜桜は微笑した。 ◆◇◆ 前へ |次へ |
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