《MUMEI》

◆◇◆

 それは、三つ目の角を曲がった時だった。

「‥!?」

 凄まじい妖気に、夜桜は顔をしかめる。

「っ‥‥」

 その視線の先には、やはり彩貴、そして月裔がいた。

 二人が相手にしているのは、彼らの体の高さを優に超えるであろう大鬼だった。

「な‥」

 見た事もない妖に、夜桜は釘付けになっていた。

「夜桜っ!」

「!」

 前方からの一撃を何とか躱したものの、彩貴と月裔に気付かれてしまった。

◆◇◆

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