《MUMEI》
松谷翔平
俺は小学校のとき、愛が好きだった。この時、想いを伝えなかった。
後悔はしてない。俺はモテたし、他のコと付き合った。

中学一年冬。裕吾とセックスした。
あの日俺は裕吾の家にいた。寒かったカラ寄り添ってた。息が耳にかかるほど。BLには興味はあった。どんなものなのか。
裕吾は俺より背が高い。引き締まった筋肉で顔も綺麗だ。俺らがやっても絵的に綺麗だろうし、裕吾なら許してくれると思った。
ふとした衝動にかられて、俺は裕吾の首筋にキスしてた。ぞくっとした。
俺の耳を裕吾が噛んでいたからだ。
そこからお互い何も言わずにした。裕吾の匂いがするベットと裕吾に挟まれて。何度もキスをした。裕吾の綺麗な目にドキドキした。裕吾の体を舐めるとびくっと体が震える。それから体を力尽きるまで温め続けた。



裕吾とは2年で別れた。そのあとは彼女をつくったが、本気にもなれないし、好きでもなかった。
高校に入って、つくらずにいた。
そんな俺のそばで何も言わず、百合はいつも優しく笑っていてくれた。何も言わなくてもわかってる。というように。幼い感じがあって、人形のようにかわいい。
そんな百合がナンパされてるのを見て、久しぶりにまぢギレした。
昔から、俺と裕吾は裏でケンカしていて、負け無しだった。百合はまだ少し怯えていた。
抱きしめると、ギュッとした百合は小さくて、「百合。」と呼ぶと、上目づかいでみつめられる。
その時、百合が愛おしくてたまらなかった。
暗い場所で汚れた俺を、
綺麗で純粋な百合が、光へ導いて、温めてくれる気がした。


−END−

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