《MUMEI》 十一夜 闇を裂くもの◆◇◆ 「何故此所へ来た‥」 彩貴の目には、明らかなる憎悪が満ちていた。 「すまん‥だが私は」 「こいつを庇いに来たのか」 「言った筈だ」 「お前を襲ってきたんだぞ‥!」 「妖は無暗に人を襲ったりなどしない」 「それ以上近付くなっ」 だが夜桜は聞かない。 彩貴もそうなる事は分かっていた。 だが今は、それを認める訳にはいかないのである。 「下がっていろ」 そう言った彩貴の背を見つめ、夜桜は言った。 「妖を滅するのは‥人を殺めるのと同じ事だ」 ◆◇◆ 前へ |次へ |
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