《MUMEI》

瑞乃 透は 花咲高校の現役 生徒会長である。


万年トップの成績で 冷静沈着、文武両道。眼鏡の奥の涼しげな眼すっと通った 鼻筋
形の良い 唇
いわゆる イケメンである。


その彼が 恋愛に関して ヘタレなのは 誰も知らない(笑)


その 女生徒を 初めて見たのは 二年前の春。まだ、役員成り立ての僕は、仕事を覚えるため、生徒会室にいる事が多かった。


生徒会室の窓から 見える 裏庭に 彼女はいた。


裏庭には 桜の木が一本 その側に 古びた木のベンチ


そのベンチに 座り 彼女は 眠っていた。


「呑気な女だな。」


彼女は 毎日 決まった時間 ベンチで 眠り 帰って行く。


「変な女…」
それが 第一印象。


ある時 生徒会室にいた同級生役員が 彼女を 見付けた。


「あれ、酒井じゃん。」


「知り合いか?」


「あ、瑞乃、僕らの 同級生だよ。」


「酒井 乃理って 言うんだ、あいつ。」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫