《MUMEI》

テーブルの上には


ざるそば四つ

天ぷら三つ

サラダ四つ

鴨ネギ(鴨肉とネギを軽く炒めて塩コショウで味付けしたもの)

漬物の盛り合わせ


が並んでいた。


「あと、アイスも来るからね」


「そんなに食べれないよ!」

「私も…」


「そう?じゃあ、アイスの分だけお腹空けて後は残していいよ。

あとは俺が食べるから」


「「え?」」


私とせいこちゃんは同時に驚いて、勇さんの細い体を見つめた。


(この体の、どこに?)


しかも、よく見ると勇さんの分だけざるそばも多かった。


「まぁまぁ、さ、食べようよ」


「ちょっと、勇! 紹介しなさい!」


そこで初めて律子さんが声を上げた。


多分、会話に入ってこれなかったのだ。


(悪い事しちゃったな…)


勇さんは私達と律子さんを交互に見つめて、私と同じ事を考えたらしく、『ごめんごめん』と謝った。


「『ごめん』は一回!」


「はいはい」


「『はい』も!」


「とにかく、座ろう」


「…わかった」


そして、二人は席に着いたが…


(おかしくないかな? これ)

勇さんはせいこちゃんの隣に、律子さんは私の隣に座っていた。

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