《MUMEI》
『―――我にかえったら隆志の事好きになったりして…、そしたら俺は…一人になる…』




――……




『――惇、今自分で何言ってっか分かってる？
俺は別にいいけど裕斗の事ちょっとバカにし過ぎだぞ？アイツは…そんな奴じゃない』





すると惇は俺の腕にしがみついてきた。



ドロドロとした感情な台詞とは裏腹な…




―――純粋に、本当に綺麗な眼から、涙が一気に溢れだしてきた。




おもわず目線をそらしたい位それが余りにも綺麗で、何となく…俺は居心地の悪さを感じた。





『だって…始めは俺裕斗の代わりだったじゃん…俺の躰通してアイツの事見てたくせに……』




『――見てねーよ、捌け口にしたのは否定出来ねーけどちゃんと惇だと、お前を見て抱いた…決してアイツの代わりにはしなかった』




『―――嘘だ』




『嘘じゃない…』





『………………
俺は隆志がいないと生きて…いけない…』






『…俺は惇から離れる気はない』





惇はじっと俺を見据えたまま、俺の腕を掴む力を少しだけ強くした。








『…信じろよ、俺は惇しか見ない、今もこれから先もずっと……
もし裏切ったら…





俺を殺していい』

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