《MUMEI》

「おばあちゃん、どうしたの??」


私が声をかけると、半泣きになっている彼女はさらに泣きそうになる。


「み、南口に行きたいんですが…もう私には何が何やら分からなくて…」



ゲッ!?南口!!(; ̄Д ̄)


さりげなく時計を見ると、待ち合わせ時間を過ぎてるし…


どうしよ…


ここ西口だし…


南口に連れていってあげたいけど遠回りなんだよね…


…………………。



数秒の葛藤の末…


ていうか、どうせ別れ話だし遅刻してもいっか。

それに遅刻するのは私じゃなくてエリカなんだし。



「おばあちゃん、南口まで私が案内するから大丈夫!安心してね」


私の言葉を聞いた、おばあちゃんの顔はパッと明るくなって、


「ありがとうありがとう」


と、手を握りしめられて感謝された。

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