《MUMEI》

「あなたが……祖母がお世話になりました。」


隆二くんはちょこんと頭を下げた。


その姿に私は…



―――キュン…



って…なぜか胸キュン!?


「あ…、いや…、大したことなんてしてないし…ただ放っておけなくて…」



「いやぁ〜このお嬢さんがいなかったら私は迷子のままだったよ!」


おばあちゃんは私のことを極上の言葉で誉め始め、それから鞄の中をゴソゴソと探って、


「はい、これ」


と、小さな犬のキーホルダーを私に差し出した。


「え?」


「大したもんじゃないけどお礼だから受け取って」


「そんな、お礼なんて…」

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