《MUMEI》 私がキーホルダーを返そうとすると隆二くんが、 「がらくただけど受け取ってあげてよ」 そう言ってから、ニコッと笑った。 な、なんて素敵な笑顔! 「あ…じゃ、遠慮なく…」 私は隆二くんの笑顔に見とれながら、キーホルダーを受け取った。 「隆二はがらくたなんて言うけど、一応これ翡翠なのよ」 おばあちゃんは嬉しそうに言い、私の手を握って、 「本当にありがとうね」 と、何度も何度も感謝してくれた。 「いえいえ」 なんて謙遜していると、時計がチラリと見えた。 や、やばっ!!! 「あ、あの…それじゃ、私これで…」 前へ |次へ |
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