《MUMEI》

「来ちゃったものは仕方ないんじゃない?
追い返すのも面倒だし…
俊彦君の分は無いから、コーヒーしか出せないけど」

「ありがとうございます!
大丈夫です、俺、蝶子だけ見てれば満腹なんで!」


「…馬鹿」


そんな私達のやりとりを聞いて、勇さんが律子さんに

『あれが商店街一のバカップル』と言うから、私は更に真っ赤になった。


その上、律子さんと、…理美さんにまで『納得』と言われてしまった。


(恥ずかしいなぁ、もう…)

私は隠れるように厨房に入り、パフェを作り始めた。

数分後。


「どう…ですか?」


私は皆に感想を求めた。


「美味しかった!」


(良かった)


皆がパッと笑顔になったので、私はホッとした。


「でも…色合い、もう少し、華やかにした方が良くない?」


(確かに…)


理美さんが言うように、パフェは全体的に地味な色合いだった。


「味のバランスは崩したく無いんですよね…」


「これに、生クリームって変かな?そしたら、よくあるみたいにチェリーとか飾れそうじゃない?」


「アイスに生クリームってよくあるしな」


理美さんの意見に、勇さんも同意した。

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