《MUMEI》

同一のゲーム上のスコアを競うことで一緒にゲームをプレイせずとも、対戦とほぼ同等の成果を得られるはずだとヒロコは考えた。

しかしこれには少しばかり問題があった。それはスコアが無いゲームが入っていた場合である。

ヒロコが小さい頃、兄はよくゲームを教えてくれた。そしてまたよく兄がゲームをプレイしているのを横でみていた。兄はほとんどロールプレイングゲーム(俗に言うRPG)しかやらなかった。他のジャンルより長く遊べるロールプレイングゲームを兄は特に好んでいた。

そうロールプレイングゲームにスコアは存在しないのだ。

そんな問題を抱えたまま、ヒロコは兄の部屋を開けた。

「えっ・・・」
ヒロコは言葉を失ってしまった。
山のようにあったゲームがほとんどなくなっているのだ。

「嘘でしょ・・」
本当に綺麗になっている。あの兄がゲームをやめるなんて到底信じられることではなかった。
このぶんではあのゲーム機の中にもゲームソフトは無いかも知れない。
恐る恐る開けると本当に予感が的中してしまった。

またヒロコはどうしたものかと考え込んだ。

しかし1つおかしな点がある。

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