《MUMEI》

「俺はね、蝶子とずっとイチャイチャしたいんだ。
結婚しても、子供が出来ても、ずっとね。

だから、練習のつもりで…しない?」


「練習って…」


俊彦は、立ち上がり、私に近付いた。


「隣で寝てるのは、双子じゃなくて、俺達の子供で、咲子さんは、お姑さんって設定で」


「それ、咲子さん怒るよ」

私は思わず苦笑した。


「隙あり」


俊彦が、軽く唇を重ねてきた。


「ダメよ」


「俺も、ダメ。こういうシチュエーション初めてで…


興奮してきた」


「何言って…」


次の瞬間。


グイッ


私は俊彦に引っ張られ


ドサッ!


ベッドに押し倒された。


私は悲鳴が出そうになる口を押さえるのが精一杯だった。


「抵抗するより、声を我慢する方が忙しいんだね」


俊彦の言葉に私はカッと赤くなった。


私のベッドは二人で使うには少し狭い上に、俊彦が動くだけでギシギシと音がした。


「このベッド、蝶子が暴れたら、結構大きい音がしそうだね」


(それじゃ、何もできないじゃない…)


戸惑う私に俊彦は甘く囁いた。


「大丈夫。静かに、優しくしてあげるから…さ。
練習…頑張ろうね」

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