《MUMEI》

「…っ……ン〜…ッ」


ギシッ


「蝶子…」


「…」


「それじゃ、痛いよ。それに、顔が見えないと、俺が寂しい」


(だって…)


私は俊彦が触れてくる度に出そうになる声を、自分の手に噛みついて堪えていた。


ギシッ


?


俊彦が、部屋の中で何かを探していた。


ギシッ


「苦しくて、ごめんね」


「ングッ?」


(これ、…私のハンカチ?)

口に詰め込まれた布は確かに私の白いハンカチだったが、私はそれを確認する余裕は無かった。


俊彦が私のズボンと下着を下ろし、足や下半身の愛撫を始めたから。


ギシッ


「ン…ッ…ンン…」


(やだ…)


私の体が敏感に反応する度にベッドが軋んだ。


「大丈夫だよ、このくらいなら…」


私は恥ずかしくて、首を左右に振った。


「じゃあ、こうする?」


俊彦は、私の足を高く持ち上げ、舐め始めた。


「ンン〜!」


「え?やだ?」


(ヤダに決まってるでしょ)

私の視界に自分の足とそれを舐める俊彦がはっきりと見えて、私は恥ずかしくて仕方無かった。


「じゃあ、ギシギシは気にしない方向で」


俊彦は私の足をゆっくり元に戻す。

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