《MUMEI》

(別にそんな事言ってない!)


ギシッ!


下半身の愛撫を終えた俊彦が、勢いよく私の中に入ってきて、私は慌てて俊彦の背中を叩いた。


「痛いよ、蝶子」


ギシッ! ギシッ!


「ンッ!…ンン…ッ…」


(だから、音が激しいってば!)


それでも俊彦の動きは止まらない。


私は、思い切って口の中の布を取り、俊彦に抗議しようと思った。


布が無くなり、私は息苦しさから解放され、口を大きく開けた。


「待ってた」


「?…チョッ…ッ…ハッ…」

ギシギシッ!


俊彦が私の唇を塞いでいたから声は出なかったが、ひときわ大きくベッドが軋み…


私達は唇を重ねたまま、達した。


「たまには、…いいかも」

「私は…ヤダ」


(心臓に悪すぎる)


それから私達はかなり密着した状態で眠りについた。

途中、俊彦が『もう一回』と言ったから、私は俊彦を突き飛ばしてしまい、…


ドスンッ!


床に俊彦が、落ちた。


「「あ…」」


その時の音は、当然双子や咲子さんに聞かれてしまい、私達は、翌朝、言い訳に苦労した。

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