《MUMEI》

「ナイッシュー!!」


さらに点を重ねる。


「お前ら!!調子乗んなよ!!相手に合わせようなんて考えんな!!そのままのペース守りと押せ!!」


クロは渇を入れた。


(弱いヤツらはちょっと上手く行くとすぐ手を抜く癖があるからな。)


「はい!!」


クロの一言で緊張感が高まる…


点差は離れる一方であったが、赤高は決して手を緩めることはなかった。


(一体…、どうすればいいんだよ!!)


八嶋は、打つ手がなかった。


「…八嶋。」


「…」


「八嶋!!」


「え?…あぁ、何だ?」


「俺たちに回してくれ。」


「は!?」


「今お前に注意がいってるだろ。だったら俺たちの方が打ちやすいはずだ。」


「でも、お前たちのシュート力じゃ…」


「シュート打てないお前よりはマシだろ?」


「…わかった。」


(今頃気付きやがったか…。)


クロとしてはもっと競った試合をしたかった。


だが、もはやスコアは17対6。


時間的に見ても赤高の勝ちは見えていた。

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