《MUMEI》 彼は、酒井は 母親が入院中で、主婦業で疲れてるんだろう。 と言った。 「ふ〜ん。なるほどね。」 ただの 呑気者じゃないんだな。 それが 第二印象。 そんなある日、酒井が裏庭にいた。 「……泣いてる?」 遠くからだから 良く見えないが、多分 間違いない。 項垂れて 肩を 震わせている。 「どうしたんだろう?」 何故か 気になった。 それから、気が付けば、彼女の姿を 眼で追っている自分に 気付いた。 街中で、幼い兄弟を連れている彼女を見た事もあった。 …しっかり お姉さんの顔してるんだな。 と何故か 微笑ましかった。 何時も 笑顔の彼女を 見てるのが 嬉しかった。 僕が 自分の気持ちに 気付いたのは… 初めて裏庭で 見てから 二年後、彼女が 裏庭に 姿を 見せなくなってからだった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |