《MUMEI》

藤田美紀。


僕たちが高校の頃、マネージャーで、元カノ。


「お金ないんでしょ。」


「…お前何でここにいんの?」


さすがに動揺を隠せなかった。


「いくら必要なの?」


質問無視かよ…


「…1800円。」


「はぁ…。お金持ちのくせに…。」


「親はな。僕には関係ない。」


「…はい。」


千円札を2枚差し出してきた。


「いや…、いいよ。」


「よくないよ。ないんでしょ。」


「…」


「いいから!!」


半ば無理矢理金を渡される。


「…わり。つか何でここにいんの?」


「…ハンドボールプログラム。」


「あ〜、カキコミ見たわけだ…」


「てか…、あれあたしのサイトだし。」


「…は?」


「あたしが作ったサイトだよ。」


「…そゆことすか。」


「そゆことす。」


「…」


「早く行ったら?皆待ってるんじゃない?」


「…あぁ。」


というかいつまでも男子トイレに女の子を置いとくのは主義じゃないし…


「あのさ美紀。」


「…何?」


「近い内に金返すわ。」


「…うん。待ってる。」

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