《MUMEI》 「『この前のお礼がしたいから、任せろ』って」 場に残った理美さんが笑顔で説明した。 「へぇ、珍しくパーティーに来たと思ったら、いいとこあるじゃん」 私の背後には、いつの間にか俊彦がいた。 歌穂子さんと律子さんが、俊彦に頭を下げた。 (ん?) その様子に違和感を感じた私は俊彦に『何かあったの?』と質問した。 「何? 嫉妬?」 「違っ…」 「「誤解ですよ!」」 私達のやりとりを聞いた歌穂子さんと律子さんが声を揃えた。 「うん。わかってるから」 「なら、いいですけど」 「…で、何かあったんですか?」 私は、歌穂子さんより落ち着いている律子さんに質問した。 律子さんの話によると、バイト代をもらった二人は、『シューズクラブ』で俊彦に秋物のパンプスを選んでもらったらしい。 歌穂子さんと律子さんはよほど嬉しかったらしく、皆に見せる為に、その靴をわざわざ持ってきていた。 「見せるタイミング、わからないんだけど…」 戸惑う律子さんに、私は『一次会と二次会の間がいいかも』と提案した。 そして、私は二人の元に次々とやってくる商店街の人々の説明をした。 前へ |次へ |
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