《MUMEI》

「……あうっ!」

氷室様に足蹴にされぶっ飛ばされた。椅子や机を幾つも薙ぎ倒す。

「謝罪が足りんぞ!許しを乞え!」

氷室様は起き上がる僕を何度も蹴りつける。

「ごめっ、ごめっ なさぁ …………ア ガッ……」

何度も繰り返し謝る。

「貴様そんなものでお宮の感情が理解出来るか?!」




氷室様は僕に薦めてくれた尾崎紅葉の金色夜叉という文学作品の中の主人公貫一が許婚お宮を蹴り上げるシーンを体現して下さっている。

原作は未完で僕には文体も難しく理解しにくい作品であった。

僕は許しを乞う許婚に優しく手を差し延べるような恋愛小説が好きなんだ。

そう、決してこんな内臓破裂しそうな背骨が橈む地獄絵図は望んじゃいない。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫