《MUMEI》
微妙な和解
二人で 黙々と 商品を並べる。

商品を、取ろうと、俺の 伸ばした手が 哀ちゃんに 触れる。


「あ、ごめん。」


「いえ、こっちこそ。」


お互い…沈黙。


「だあ〜もう!」
耐えきれずに 口を開く。


「哀ちゃん、ごめん!俺…。」


哀ちゃんが 言葉を遮った。
「鶴野さん、今夜 全て お話します。聞いてくれますか?」


「う…うん、分かったよ。


…なんだろ?やっぱり貧乏神の話なんだろうか?


哀ちゃんは ホッとした顔をして 俺に 笑顔を向けた。


俺は やっぱり 彼女の笑顔は 可愛いなあ…なんて 呑気な事を 考えていた。

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