《MUMEI》
管理人自己紹介
わたいは湘南三浦海岸にある下宿、三浦荘の管理人。夫とクロサビ猫のルカと一緒に、親の残した跡地に建てたこの下宿屋の母屋に住んでいる。一人息子はとうに成人し、今は東京で一人暮らしだ。夫は仕事の虫で夜勤も多い。夫の夜勤の夜は何をしてるかって・・・?ふふ。
部屋を借りている人は若い人が多いの。・・・でも変な想像はしないでよ。わたいは彼らの生き生きとした様子を見たり、おしゃべりを聞くのが大好きなのさ。特に学生さんのね。
下宿の棟はうちの母屋と一体になっている。わたい達が住む一階の上に一部屋あって、その東側の壁がうちの二階とくっついている。つまりその一室だけはうちの天井と二階の壁で繋がっていのだ。
そこに間借りしているのは東京の大学に通う好青年、角南大介クン。背が高くがっしりしていて、ちょっと古風な武士みたいな顔をしている。将来小説家を目指しているという。
無口だけど礼儀正しく、この間、我が屋の雨漏りを直してくれた。
彼の仲間が時々来て夜中騒ぐ。うちの旦那が居る時は静かにしてくれと言ってあるので、特に旦那の夜勤の日に来るようになった。
夜中中、彼らの若く張りのある話し声や笑い声が聞こえる。それがいつしかわたいの子守歌になった。
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