《MUMEI》

乃理は 今 人生最大の 謎に 直面していた。

数学の補習なのに?
目の前には 生徒会長瑞乃。何故?


「酒井、プリント、解いたら 職員室に 提出だそうだ。」


「……うっ…」


「なんだ?もしかして、解けないとか、言わないよな?」


「…あ、う…。」


「クスッ…」


「あっ、笑った!」


瑞乃は ビックリした。
「酒井〜僕だって 笑うよ。ヒデェな、お前。」


…だって 笑わない人かと 思った。意外に 優しい顔して 笑うんだ。


「で、どこが 解らない?」


「あ〜、ここです。」

「これは、公式を 当てはめて…そうすれば…そう、うん、出来たじゃないか。」


結局、殆ど手伝ってもらい、無事 プリント終了。


「ありがとう、瑞乃くん。助かったよ、提出して くるね。」


瑞乃くんの 横を 通りすぎようとした時…


…ガシッ!…
いきなり 腕を 掴まれた。


「はい?」


「あのさ、酒井〜、手紙の事なんだけど…」

乃理の 血の気が 一気に引いた。

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