《MUMEI》
十五夜 定めの如き別れ
◆◇◆

 狐叉が日に日に弱々しくなっているのは、誰の目にも明らかだった。

 だが、それを懸念しているにも関わらず、未だに夜桜や彩貴達はどうする事も出来ずにいた。

「‥‥‥‥‥‥‥」

次第に口数が少なくなる。

 夜桜は毎晩のように狐叉に付き添い、寝ずの番をしていた。

 雪兎達も側にいて、狐叉に妖気を分け与えていたのだが、彼女の消耗が早過ぎるあまり、吸収が追い付かない。

 心なしか、段々と狐叉の体が小さくなってきているように、夜桜には思えてならなかった。

◆◇◆

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