《MUMEI》

パンツ一枚になり、ベッドに仰向けになるよう命令された。

氷室様は無表情で机から何かを取り出してきた。

「それは……クリップ!」

よくプリントを束にして挟めるときに使い銀色に光る、挟めるときはかなり指先の力を要するアレだ!

しかも、大きめのやつ。
三〜六百枚は軽く止めちゃうやつだ。

「正解だ。
しかし作文は中々間違えたな。」

氷室様はベッドの四つ脚に一つずつ僕の手足を手錠で繋げて大の字にした。

「まず、改行ミス」

氷室様は一つクリップを開いた。

「イタっ……」

僕の脇に近い二の腕の肉を挟めた。
右手の甲が5センチ発毛。

「誤字ミス………………」

氷室様は他二つのミスの指摘し、左右の二の腕と左右内腿にクリップが合計四つ挟まれた。

その間右手の甲は倍に発毛し続け大変になっていた。

「一つずつ取ってやろう」

氷室様は僕の腹を膝を付いて跨ぐ。
仰ぎ見る氷室様はいつもの三割増し恐ろしかった。

クリップの穴に紐を通すと肉眼で捕らえられない速度で引っ張られる。



バチン

「いぁっ……!」

右二の腕から痺れる痛み。
涙が滲んで来た。
時間差で発毛した。

四つ目のクリップが終わる頃にはすっかり右手の甲の毛は大変というか、鬘がひとつ作れるくらいには発毛していた。

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