《MUMEI》

再びバイクに跨り、しまなみ海道に乗った。
海に浮かぶ島々を眺めながら、楽しかったなぁ…
と、色々な出来事を思い出していた。

だが、スピード違反で捕まった事を思い出した途端、ブルーになった。

空は薄暗くなり、夕陽が海に乱反射し、メラメラと燃え上がる炎の様だ。

普通なら綺麗に見えるだろう景色も、今の俺には地獄絵に見えた。

気を取り直して走り、サービスエリアに入った。

紙カップのホットコーヒーを買い、ベンチでタバコに火を付けた。

やはり、夕方になると肌寒くなる。

バッグからインナーを取り出し身に付けた。

(さて、もうひとっ走りするかぁ!)

膝をポンと叩き立ち上がった。

おっと、その前に…

売店に入り、ちょっとしたお土産を買って、バッグに無理やり詰め込んだ。

走り出すとインナーの分暖かい。

そのまま料金所まで走った。
グローブを外し、財布を取り出して支払いを終わり、また、グローブをはめる。

これが、かなりのタイムロスになる。
(バイクの事も考えてハイウェイカードを復活させろ!!)

そう思いながら走り出した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫